日本大百科全書(ニッポニカ) 「温禰古丹島」の意味・わかりやすい解説
温禰古丹島
おねこたんとう
千島列島北部の火山島。オンネコタンとも読む。北東は幌莚(ほろもしり)島(パラムシル島)に、南西は春牟古丹(ハルムコタン)島に連なる。長さ43キロメートル、面積433平方キロメートル。ロシア連邦サハリン州に属し、オネコタン島Онекотан/Onekotanとよぶ。南端に黒石山鐘状火山(ロシア名クレニツィナ、1328メートル)と幽仙湖カルデラ(直径14キロメートル)があり、北部に二重式火山で直径9キロメートルの沈水カルデラをもつ根茂(ネモ)火山(1019メートル)があるほか、2座の火山がある。海岸は海食崖(がい)がそびえて近寄りがたく、東岸の黒石湾以外によい錨地(びょうち)はない。黒石川ほか数条の急流がある。第二次世界大戦前は、行政上、根室支庁(現根室振興局)管内の占守(しむしゅ)郡に属したが、定住者はきわめて少なかった。
[渡辺一夫]