改訂新版 世界大百科事典 「港大橋」の意味・わかりやすい解説
港大橋 (みなとおおはし)
大阪市港区海岸通りと南港地区を結ぶ鋼道路橋。橋長980mのカンチレバートラス構造で,この形式の橋としては世界第3位の510mの中央径間長を有する。1974年完成。上階を阪神高速道路湾岸線,下階を一般道路に供する2階構造の橋である。設計荷重が大きいため,当時まだ使用実績が少なかった引張強さ70kgf/mm2および80kgf/mm2級の高張力鋼の極厚板材を特別の仕様によって作り,大きな力を受ける部材に用いた。それでも鋼の総重量は3万5000tに達した。中央径間のうち長さ186mのつり構造部4500tは広島県呉の工場で全体を組み立て,艀(はしけ)で瀬戸内海上を現地へ運び,ケーブルによって大ブロック一括つり上げ架設を行った。
執筆者:伊藤 学
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報