ケーブル(読み)けーぶる(英語表記)George Washington Cable

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ケーブル」の意味・わかりやすい解説

ケーブル(cable)
けーぶる
cable

一般に太い綱や索、ある種の電線などをいう。電気用途に用いるケーブルは、電気を導く金属線という広い意味で電線とよぶこともある。

 しかし、電線とケーブルは、導体に絶縁体を被覆したものを電線(絶縁電線)とよび、その電線の外側もしくは電線を複数本撚(よ)り合わせたものに絶縁体を保護する被覆(シース)を施したものをケーブルとよんで、電気工事などでは敷設場所に応じ使い分けられている。ケーブルには、電力ケーブル通信ケーブル同軸ケーブル海底ケーブル、光ファイバーケーブル、制御ケーブルなどがある。

 なお、ケーブルカーなどに用いられているケーブルは、鋼索すなわちワイヤロープであり、その安全性と耐久力については各国ともほぼ同様な取締規則を施行している。全線継ぎ目のないものを用い、通常、ワイヤロープの安全率(ロープの破断荷重とロープにかかる荷重の最大値の比)は6倍以上である。

[佐久間照夫・大木義路]


ケーブル(George Washington Cable)
けーぶる
George Washington Cable
(1844―1925)

アメリカ小説家。ニュー・オーリンズ生まれ。スペインフランスの生活習慣や文化の味をとどめるこの町をこよなく愛した。黒人奴隷にかしずかれた植民地生まれのいわゆる白人クレオール階級を扱った小説『古きクレオール時代』(1879)、『グランデシム家』(1880)は、南部地方色を豊かに描き出している。また人道主義的立場から『黒人問題』(1890)を執筆した。

[岩瀬悉有]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ケーブル」の意味・わかりやすい解説

ケーブル
cable

(1) 大綱,鋼索,電線などの総称。 (2) 被覆電線。電気絶縁物でおおった電線を集めて,その上に種々の外装を施し,電気的にも化学的にも外界から遮断したもので,電力用ケーブルと通信用ケーブルに大別される。前者は電力輸送用の地中送電ケーブルで,ベルトケーブル,使用電圧 10~30kV用のHケーブル,SLケーブル,低ガス圧ケーブルと,特別高圧 (約 7kV) ,超高圧 (100~500kV) 用の油入り OFケーブルなどがある。最近はブチルゴム絶縁ケーブルなども利用されている。後者は電気通信用として局内および局間に使用されるもので,架空,地下,海底用ケーブルがあり,種類としては,平衡型ケーブル (局内用,市内,市外用) と同軸ケーブル (長距離用,海底ケーブル用) のほか,最近は光通信用の光ファイバケーブルが開発使用されている。

ケーブル
Cable, George Washington

[生]1844.10.12. ニューオーリンズ
[没]1925.1.31. フロリダ,セントピーターズバーグ
アメリカの小説家。いわゆるクリオール (ルイジアナのフランス系住民) の生活を描いた短編集『クリオール回顧』 Old Creole Days (1879) をはじめ十数冊の地方色豊かな長編,短編集がある。また,刑務所内の悲惨な実情に触れた小説『ドクター・セビア』 Dr. Sevier (84) ,しいたげられた黒人の権利を擁護した評論集『沈黙の南部』 The Silent South (85) などには,社会改良家としての側面がうかがわれる。

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