源氏物語新釈(読み)げんじものがたりしんしゃく

精選版 日本国語大辞典 「源氏物語新釈」の意味・読み・例文・類語

げんじものがたりしんしゃく【源氏物語新釈】

  1. 源氏物語」の注釈書。五四巻。賀茂真淵著。宝暦八年(一七五八成立もと田安家のために「湖月抄」に訂正書き入れをしたもの。真淵にはほか総論として「惣考(そうこう)」、補注として「別記」がある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の源氏物語新釈の言及

【源氏物語】より

…これらの古注類は考証や鑑賞面に大部のすぐれた成果を挙げてはいるものの,物語の本質論や文芸的理解となると,当時の儒仏思想の功利的な教戒観に左右されがちであったのはやむをえない。江戸時代に入ると,国学の勃興とともにいわゆる〈新注〉の時代となり,契沖の《源注拾遺》や賀茂真淵の《源氏物語新釈》がいずれも文献学的実証を志向し,ついで本居宣長の《源氏物語玉の小櫛》は,その総論に,物語の本質は〈もののあはれ〉すなわち純粋抒情にありとする画期的な論を立てて,中世の功利主義的物語観を脱却した。しかし宣長以後は幕藩体制下,儒教倫理による《源氏物語》誨淫(かいいん)説の横行によって,その研究もふるわず,わずかに萩原広道の《源氏物語評釈》の精密な読解が注目されるにすぎない。…

※「源氏物語新釈」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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