化学辞典 第2版 「滴下水銀電極」の解説
滴下水銀電極
テキカスイギンデンキョク
dropping mercury electrode
電極材料として水銀を用いた電極の一種.水銀だめから1 m 程度のビニル管などを介して取り付けたガラス製毛管を試料溶液に浸すと,直径が0.5 mm 程度の水銀滴が一滴ずつ数秒間隔で溶液中に滴下する仕組みになっている.滴下時間や水銀滴の大きさは,水銀だめから毛管までの距離を変えることや,毛管の内径を変えることによって調整できる.つねに新しい電極面が試料溶液に接するため,電極表面の履歴(ヒステリシス)が少ないこと,水銀の水素過電圧が高いため,金属イオンの還元が水素発生に妨害されないなどの特徴がある.ポーラログラフィーの電極として重要である.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報