漁民運動(読み)ぎょみんうんどう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「漁民運動」の意味・わかりやすい解説

漁民運動
ぎょみんうんどう

漁民が,自分たちの社会的地位の向上や経済目的の達成のため,集団で大衆行動を起すこと。近世封建領主の過酷な漁業政策に対する一揆的反抗や集団的逃亡はもとより,近代になってからの租税重課や米価騰貴に反対する漁民騒動,さらに,現代にいたるまでの漁場埋立てや鉱害煙害,工場排水などによる漁業被害に対するいわゆる反公害闘争は,とりわけ第2次世界大戦後になって,漁民の死活を制する組織的民主的運動となっている。なお,最近注目されるものとして,原子力発電所の新・増設や,200カイリ時代の到来に伴う漁業の減船整理,外国からの水産物輸入などの動きに対する漁業協同組合と漁民の統一的な経営危機突破の大衆示威行動があげられよう。

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