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漁業協同組合 ぎょぎょうきょうどうくみあい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

漁業協同組合
ぎょぎょうきょうどうくみあい

水産業協同組合法 (昭和 23年法律 242号) により漁民組合員として設立される協同組合。漁民とは個人営業者と漁業を営む一定規模以下の法人をさす。一定地区内の漁業者,法人を組合員とする地区漁協と,特定の漁業種類を営む漁業者を組合員とする業種別漁協がある。漁獲物の販売,漁業用具,機器の購買,共同利用,金融および技術,経営指導などを行う。市町村に各単位組合,都道府県に各漁業協同組合連合会がつくられている。全国段階では,全国漁業協同組合連合会があるが,これは信用事業は行なっていない。 1990年,4158組。近年は魚価低迷などにより,漁業経営の悪化,漁業就業者の高齢化などの問題をかかえ,組合数は減少傾向にある。

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デジタル大辞泉の解説

ぎょぎょう‐きょうどうくみあい〔ギヨゲフケフドウくみあひ〕【漁業協同組合】

一定地区内の漁民を組合員とし、漁民に必要な物資の供給、共同施設の利用、漁獲物などの加工・販売、信用業務などの事業を行う水産業協同組合。漁協(ぎょきょう)。JF(Japan Fisheries Cooperatives)。

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百科事典マイペディアの解説

漁業協同組合【ぎょぎょうきょうどうくみあい】

水産業協同組合の一種で,漁業者の事業や生活に必要な資金の貸付,貯金の受入れ,購買・販売事業,共同利用施設の設置等のほか,直接漁業を経営することもできる。漁業法に基づく漁業権の管理主体であることから正組合員の資格をきびしくしている。
→関連項目漁業金融漁村入漁権遊漁

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世界大百科事典 第2版の解説

ぎょぎょうきょうどうくみあい【漁業協同組合】

漁民を構成員とする協同組合で,水産業関係の協同組合,すなわち漁業生産組合水産加工業協同組合とともに,水産業協同組合法(1949公布)に基づき行政庁の許可を得て設立されたものであり,これら3組合のうちで数の上でもまた活動範囲の点でも,最も大きい。漁協と略称組織形態としては,まず漁民が直接に組織する単位の組合と,この単位組合が連合して組織する連合会とがある。単位組合のうちには地区を決めて設立される地区漁協と,営む漁業種類にしたがって設立される業種別漁協とが区別され,前者が3000弱,後者が200強ある。

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大辞林 第三版の解説

ぎょぎょうきょうどうくみあい【漁業協同組合】

水産業協同組合の一。一定地域内の漁民を構成員とする地区漁協と、業種別に設立される業種別漁協がある。組合員に必要な物資の供給、加工施設などの共同利用、販売などの事業を行う。直接に漁業を経営することも、漁業権の主体となることもできる。漁協。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

漁業協同組合
ぎょぎょうきょうどうくみあい

沖合漁業を主とする中・小漁業者、沿岸・内水面漁業を主とする零細漁家などが、経済的・社会的地位を向上させるために組織している協同組合。略称漁協、英語名称のJapan Fisheries Cooperativesの頭文字をとり、JFともいう。水産業協同組合法(昭和23年法律第242号)によって、設立方法、組合員資格、業務、組合の運営方法等が詳細に規定されている。漁業協同組合(漁協)には、沿海地区や内水面の同一地区に居住する漁業者によって構成されている地区漁業協同組合(地区漁協)と、同一漁業を営む漁業者によって構成されている業種別漁業協同組合(業種別漁協)とがある。1980年(昭和55)には全国で前者が約3000、後者が約300組織されていた。1998年(平成10)には、地区漁協は沿海地区漁協を代表的なものとして全国に約1870、業種別漁協が約200組織されていたが、その後合併や統合などにより地区漁協数の減少が顕著である。
 漁協は組合員の経済的・社会的地位の向上を図るために、次のような各種の事業を実施している。
(1)信用事業 組合員の貯金受入や資金の貸付を行う事業。漁業経営に必要な資材の購入、ならびに漁船・漁網などを設備するにあたって、漁業者は一般的に自己資金が乏しいので借入金に多くを依存せざるをえない状態にあるが、漁協はこれらの資金需要をまかなっている。この貸付に必要な原資は、農林漁業に対する専門的金融機関である農林中央金庫や日本政策金融公庫(農林水産事業。旧、農林漁業金融公庫の事業を承継)などから、都道府県ごとに設立されている信用漁業協同組合連合会(信漁連)を経て供給される。このような金融体制を組合系統金融と称するが、1950年代以降この体制が著しく整備されたことにより、漁業者が商人や個人金融業者などの高金利資金を借入し、経営が圧迫されるような旧来の状態を脱却するに至った。しかし、1977年(昭和52)以降は、200海里漁業水域時代に入って漁業の経営破綻(はたん)問題が続発し、また、1990年代後半からの規制緩和の流れのなかで金融の自由化時代を迎えて漁協信用事業基盤の脆弱(ぜいじゃく)性が顕在化しつつある。2000年代以降、漁協信用事業は漁協合併や信漁連への事業統合によって事業基盤の再編強化が図られている状況にある。
(2)購買事業 組合員が必要とする漁業用資材や生活用品などを一括購入し、組合員へ供給する事業。とくに漁業用燃油やノリ養殖資材などについては、上部系統団体である都道府県漁業協同組合連合会(漁連)、全国漁業協同組合連合会(全漁連)の取扱い品を組合員に供給するいわゆる系統購買が進んでいる。しかし、その他の物資は組合員が一般の商店より購入する場合が多く、購買事業は農協などに比べ比較的低調な水準にとどまっている。なお、漁場汚染を防止するための無害洗剤の開発と普及および合成洗剤追放運動において漁協購買事業は重要な役割を果たしている。
(3)販売事業 組合員の漁獲物や加工品を一括集荷して共同販売する事業。生鮮魚貝類は、漁協が開設し卸売業務を行う産地卸売市場(漁港市場)において、せり、入札、相対(あいたい)などの方法で買受人に販売されるのが一般的である。ノリ、ワカメ、コンブなどの加工品は、漁協が上部系統団体に出荷し、上部団体が一括販売する系統共販が進んでいる。販売事業は、組合員の生産物の安定価格を維持することが目的であるから、地元の産地卸売市場で水揚げの調整や冷凍保管、あるいは加工による魚価維持などの対策を講ずることも考慮されている。また1980年代後半以降、生活協同組合、小売商組合、農協購買事業などとの産直提携(協同組合間提携)、ならびに小規模低温流通技術やインターネットを活用した直販(直接販売)なども行われ販売事業活動は多様化しつつある。
 以上の事業のほか、共済事業、漁協が直接漁業経営する漁業自営、冷凍・加工・製氷事業、冷蔵庫・船揚場・漁具倉庫などの組合施設を組合員に利用させる利用事業、漁場の環境保全や資源の保護増殖を図る事業、経営・技術の改良、生活改善などを指導する事業、福利厚生事業、遊漁案内業の斡旋(あっせん)やレジャー・観光漁業など多岐にわたる事業を実施している。
 なお、地区漁協の場合は単に事業を行うだけでなく、漁業法に基づき漁業権の享有・管理団体として沿岸や内水面における漁場を管理・利用するという独自の役割を兼ね備えているところにほかの協同組合とは異る特徴がある。したがって、経済事業の実施とあわせて公平・適切な漁場の管理と利用が行われるためには、漁業協同組合の民主的運営がその鍵(かぎ)を握っているといえよう。[中井 昭・廣吉勝治]
『平林平治・浜本幸生著『水協法・漁業法の解説(10訂版)』(1995・漁協経営センター出版部) ▽農林中金総合研究所編『新原則時代の協同組合』(1996・家の光協会)』

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