潘南面古墳群(読み)ばんなんめんこふんぐん(その他表記)Pannammyǒn-kobungun

改訂新版 世界大百科事典 「潘南面古墳群」の意味・わかりやすい解説

潘南面古墳群 (ばんなんめんこふんぐん)
Pannammyǒn-kobungun

韓国,全羅南道羅州郡潘南面の紫微山周辺の低い丘陵地に立地し,新村里,徳山里,石川里,興徳里にまたがって分布する三国時代百済の墳墓群。大小30基以上が,七つの支群に分かれる。そのうち,1917,18年と39年にそれぞれ6基と,78年に1基が発掘調査された。円形または方台形の一つの墳丘内に,1個ないし7~8個の陶質甕棺(かめかん)を埋葬施設とするものが多いが,興徳里所在の一墳墓のように,横穴式石室を2基連接したものや,大安里5号墳のように,横穴式石室もみられる。陶質甕棺には,合せ口甕と単甕がある。前者では接合部を粘土で目張りする。ふつう棺外に1個ないし数個の陶質土器の壺を副葬する。棺外からは,金銅製の冠帽,耳飾,履や銅製釧(くしろ),ガラス製玉類などの装身具,環頭大刀,槍,鏃などの鉄製武器,斧,鋸などの鉄製工具,陶質土器の坏(つき)などが発見された。5世紀後半を中心とする前後の時期に築造された,特色ある甕棺墓制として,濃い地域色を示している。なお,横穴式石室は6~7世紀の築造である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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