陶質土器(読み)とうしつどき

百科事典マイペディア 「陶質土器」の意味・わかりやすい解説

陶質土器【とうしつどき】

有色土を1000〜1300℃くらいの温度で焼きしめ,釉を施さない焼物。焼成中の降灰により表面ガラス質自然釉のかかったものもある。素地は吸水性がなく,不透明。中国戦国時代から漢代の灰陶朝鮮半島新羅土器日本須恵器などがこれにあたる。
→関連項目陶磁器備前焼姫谷焼

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の陶質土器の言及

【須恵器】より

…青灰色の,堅く焼きしまった土器。中国灰陶の系譜をひき,直接には朝鮮伽倻(かや)地方(加羅)の陶質土器の系統に属する。5世紀中ごろ(古墳時代中期)前後に,伽倻地方から陶工集団が渡来して生産を開始した。…

【土器】より

…耐熱性の強い素地を用いて1000℃以上(1100~1300℃)の高温で焼き上げた,多孔質でない焼物(たとえば備前焼など)は炻器(せつき)と呼ばれる。考古学では,この種のもの(朝鮮半島の新羅(しらぎ)土器,日本の須恵器)も土器に含めるか,あるいは陶質土器と呼ぶことが多い。陶器は,やはり粘土を材料とし,器壁は多孔質だが器表は釉薬(うわぐすり∥ゆうやく)のガラス質に覆われており,多孔質ではない。…

※「陶質土器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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