濾胞性リンパ腫を中心とする緩徐進行型非Hodgkinリンパ腫

内科学 第10版の解説

濾胞性リンパ腫を中心とする緩徐進行型非Hodgkinリンパ腫(造血幹細胞移植の適応の考え方)

(7)濾胞性リンパ腫を中心とする緩徐進行型非Hodgkinリンパ腫
a.予後予測因子
 緩徐進行型非Hodgkinリンパ腫(indolent NHL)の代表的疾患である濾胞性リンパ腫(FL)に特化した予後予測モデル(FLIPI)が提唱されている.
b.第一寛解期の造血幹細胞移植の適応
 German Low Grade Lymphoma Study Group(GLSG)の濾胞性リンパ腫に対する初期治療としてR-CHOPが行われた群では,自家移植による治療効果維持期間の改善は認められなかった.濾胞性リンパ腫でも第一寛解期における自家移植は推奨されない.
c.再発あるいは治療抵抗性例に対する自家移植の適応
 再発濾胞性リンパ腫に対する自家移植と通常化学療法の比較試験では,無増悪生存率,全生存率ともに自家移植群が有意にすぐれていた.しかし,リツキシマブやベンダムスチンの導入によって非移植群の生存率の改善が期待されるため,自家移植の実施は慎重に判断すべきであろう.
d.indolent NHLに対する同種移植
 indolent NHLに対する同種移植でも高い移植関連死亡率が問題となり,GVL効果が期待しやすい濾胞性リンパ腫ではミニ移植が優先される傾向にあるが,通常の前処置を行うことができる若年症例に対してもミニ移植が適切かどうかは明らかになっていない.[神田善伸]
■文献
Koreth J, Schlenk R, et al: Allogeneic stem cell transplantation for acute myeloid leukemia in first complete remission: systematic review and meta-analysis of prospective clinical trials. JAMA, 301: 2349-2361, 2009.
Cutler CS, Lee SJ, et al: A decision analysis of allogeneic bone marrow transplantation for the myelodysplastic syndromes: delayed transplantation for low-risk myelodysplasia is associated with improved outcome. Blood, 104: 579-585, 2004.
Oliansky DM, Czuczman M, et al: The role of cytotoxic therapy with hematopoietic stem cell transplantation in the treatment of diffuse large B cell lymphoma: update of the 2001 evidence-based review. Biol Blood Marrow Transplant, 17: 20-47 e30, 2011.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

今日のキーワード

COVID-19

2019年末に発生した新型コロナウイルス感染による症状の名称。コロナウイルス(Coronavirus)と病気(Disease)の短縮形に、感染が報告され始めた2019年を組み合わせ、20年2月11日に...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android