日本大百科全書(ニッポニカ) 「瀬田裏原野」の意味・わかりやすい解説
瀬田裏原野
せたうらげんや
熊本県北東部、阿蘇外輪山(あそがいりんざん)の緩やかな西斜面に広がる原野。面積約4平方キロメートル。約65%にあたる約2.7平方キロメートルが森林、約23%にあたる約1平方キロメートルがススキ、ササの原野、約0.5平方キロメートルが牛馬の放牧地となっている。大津町(おおづまち)に属するが、牧野などの管理は、大津町と南阿蘇村の旧長陽(ちょうよう)村地区との入会(いりあい)による瀬田牧野組合に依存している。この原野の北縁を通る清正公道(せいしょうこうどう)は、『延喜式(えんぎしき)』にも記録されている豊後(ぶんご)に通じる古道で、参勤交代の制度が確立する江戸時代には、細川氏の参勤ルートでもあった。
[山口守人]
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