原野(読み)げんや

日本大百科全書(ニッポニカ)「原野」の解説

原野
げんや

自然の草や低木が生えている、平らで広々とした野原荒地のことをいい、未開発状態にあることを意味することが多い。日本では、扇状地性の洪積台地に、原野であった昔の名残(なごり)として、野や原のつく地名が多い。武蔵野(むさしの)(関東地方南西部)、相模原(さがみはら)(神奈川県中央部)、那須野原(なすのがはら)(栃木県北部)などはその例である。北海道には泥炭を伴う湿原地が多く、原野の呼称を残す所が少なくない。広大な根釧(こんせん)原野(根釧台地)、天塩(てしお)原野(天塩平野)がよく知られている。熱帯で乾期と雨期の交代する地域に発達するサバンナや、砂漠の周辺地域に発達するステップなどは代表的な原野で、一般に遊牧や放牧が行われている。旧ソ連地域南部、アメリカ合衆国のグレート・プレーンズ、アルゼンチンのパンパ、オーストラリアなどのステップには、肥沃(ひよく)な黒色土や栗(くり)色土が堆積(たいせき)しているので、世界的な小麦地域や牧羊地域が発達している。

[壽圓晋吾]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉「原野」の解説

はら‐の【原野】

野原。げんや。

げん‐や【原野】

雑草や低木の生えている荒れ地草原。未開拓で人の手の入っていない野原。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典「原野」の解説

げん‐や【原野】

〘名〙 未開拓で人の手のはいっていない荒地。また、広々とした野原。
※続日本紀‐和銅六年(713)五月甲子「山川原野名号所由」
※松井本太平記(14C後)三〇「戦場二三里が間は草腥して血原野に淋ぎ」 〔礼記‐月令〕

はら‐の【原野】

〘名〙 野原。はら。げんや。
※新撰六帖(1244頃)六「霜かれのはら野にまじるふしくぬぎ世にかじけ行我身成けり〈藤原為家〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

不起訴不当

検察審査会が議決する審査結果の一つ。検察官が公訴を提起しない処分(不起訴処分)を不当と認める場合、審査員の過半数をもって議決する。検察官は議決を参考にして再度捜査し、処分を決定する。→起訴相当 →不起...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android