改訂新版 世界大百科事典 「照〓寺」の意味・わかりやすい解説
照寺 (しょうれんじ)
岐阜県高山市にある真宗大谷派の別院。山号は光耀山。親鸞の門弟,嘉念房善俊の開基と伝える。善俊ははじめ美濃国郡上郡白鳥村で布教を行い,のち同国大野郡白川郷に鳩谷道場を建てた。文明年間(1469-87)に,嘉念房明心は本願寺蓮如に帰依し,1488年(長享2)道場を白川郷中野に移し照蓮寺と称した。1588年(天正16)領主金森長近の命によって寺を高山に移転し,1699年(元禄12)住持相続制をやめて本山直轄の別院となった。戦国時代以降の古文書,記録などを多数所蔵する。なお高山市城山の照蓮寺は,もと荘川村(現,高山市)中野にあった支坊であったが,御母衣(みぼろ)ダム建設のため現在地に移築したもので,1504年(永正1)建築の本堂は重要文化財に指定されている。
執筆者:千葉 乗隆
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報