かい‐き【開基】
〘名〙
① (━する) もといを開くこと。基礎を作ること。
※
平家(13C前)五「
故(かるがゆゑに)朝廷開基の後、数千余歳のあひだ、
帝猷をかたぶけ、国家をあやぶめむとする物、みなもって敗北せずといふ事なし」 〔後漢書‐耿弇伝〕
② (━する)
仏寺を創立すること。また、その人。
開山。
開祖。
※
太平記(14C後)一七「我内には円宗の教法を守り、外には百王の
鎮護を致さん為に、当山開基
(カイキ)の初めより跡を垂れし事なれば」
③ (━する) 宗教の
一派を創始すること。また、その人。
※太平記(14C後)二六「軈(やがて)一条堀川村雲の反橋と云ふ所に、寺を立て宗風を開基(カイキ)するに」
④
禅宗で、寺院創建の
資財を提供した人を、特に開山と区別していう。
大檀那(だいだんな)。
⑤
真宗で、宗祖親鷲を開山と称するのに対して、末派寺院の創設者をいう。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
かい‐き【開基】
[名](スル)
1 物事のもとを開くこと。基礎を築くこと。
「ビホロ町では、…―六十六周年、町制施行三十周年の祝典が催される」〈武田泰淳・森と湖のまつり〉
2 仏寺または一宗派を創立すること。また、その僧。開山。
3 仏寺創建の際、財政的支持を行う世俗の人。特に禅宗で、開山と区別していう。
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開基
かいき
寺院を開創すること。また寺院を開創した僧(開山)、あるいは開創のために土地や資財を寄進した在俗の信者をさす。祖先が開基となった檀越(だんおつ)(檀家)を開基家(かいきけ)とよぶこともある。
[永井政之]
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出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
世界大百科事典内の開基の言及
【開山・開基】より
…鎌倉時代以後,寺号の上に山号を付すのはこのことによる。また寺基を開くことから開基と称した。多くの場合開山と開基は同義語的に用いられるが,禅宗や浄土宗では寺院の創建に尽力した資主(檀越(だんおつ))を開基とよび,その開創の僧を開山とよんで区別している。…
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