寺院で本尊仏を安置する建物。浄土宗では御影堂(みえいどう)、真宗では阿弥陀堂(あみだどう)、真言(しんごん)宗では金堂(こんどう)、天台宗では中堂(ちゅうどう)などともよばれる。現今、禅宗の場合は、七堂伽藍(がらん)のうちの仏殿と法堂(はっとう)を兼ねた機能を果たす。中国の寺の建築様式からすれば、本尊仏は仏殿に祀(まつ)り、法堂はあくまで説法の場であり、ここに説法者(住持)が昇るための須弥壇(しゅみだん)が設けられていた。しかし、日本では中国式を踏襲する例は少なく、仏殿と法堂をあわせた本堂をもって、寺の主要な伽藍とすることが多い。これは、地方伝播(でんぱ)などに伴っての経済的理由によるものであろう。建築上の位置などからみると、本堂は、元来は住職の居室たる方丈(ほうじょう)のうちの前(まえ)方丈にあたり、公式講礼の場であった。日本ではこの建物を客殿とよんだが、江戸時代になると、客殿の呼称を用いながらも本堂をさす例が多い。正面からみて、本尊仏を祀った最奥を内陣、内陣の両側の部分を脇間(わきま)、手前を大間(だいま)とよぶ。畳敷きを例とするが、内陣は板張りである。法要に際して導師や衆僧が位置するのは大間である。大間の外側、いちばん手前を露地(ろじ)とよぶ。露地は土間の場合と、畳敷きの場合がある。露地から大間へ入る中心の2本の円柱を撐天柱(てんちゅう)とよび、撐天柱の間を八尺間(はっしゃくけん)とよぶ。住持が七尺(約2.1メートル)の挂杖(しゅじょう)を携えて通っても当たらないよう、八尺(約2.4メートル)の高さがあるからである。
[永井政之]
『横山秀哉著『禅の建築』(1967・彰国社)』
※「本堂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新