熊切郷(読み)くまきりごう

日本歴史地名大系 「熊切郷」の解説

熊切郷
くまきりごう

現春野町南部を東から西へ流れる熊切川流域一帯に比定される。応永八年(一四〇一)六月の天野顕忠譲状(天野毛利文書)に「遠江国山香庄之内熊切郷三分方」とある。同状によれば当郷は天野氏に伝領された所領で、顕忠の曾祖母聖円尼から祖父顕義、その後家尼浄智、顕義の三男顕氏を経て顕忠へ伝えられ、その子六郎顕房に譲与されている。文安元年(一四四四)四月五日の牛頭天王社鰐口(八坂神社蔵)の銘に「遠江国熊切内大土岐牛頭天王」、寛正六年(一四六五)二月の薬師堂鰐口銘(渡辺勇氏蔵)に「熊切郷胡桃平薬師堂」、天文二年(一五三三)一一月一三日の当慶とうけい権現棟札(住吉神社蔵)に「熊切郷花香沢」とあり、大時おおとき胡桃平くるみだいら越木平こしきだいらも熊切に含まれていたと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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