牧方(読み)まきのかた

日本大百科全書(ニッポニカ) 「牧方」の意味・わかりやすい解説

牧方
まきのかた

生没年不詳。鎌倉幕府初代執権北条時政(ときまさ)の後妻。平頼盛(よりもり)の家臣牧宗親(まきむねちか)の女(むすめ)。1182年(寿永1)以前に時政と結婚している。女婿平賀朝雅(ひらがともまさ)を寵愛(ちょうあい)した牧方は、朝雅と畠山重保(はたけやましげやす)(重忠(しげただ)の子)との対立から、時政に讒言(ざんげん)して1205年(元久2)畠山父子を殺させ、さらに源実朝(さねとも)を廃して朝雅を将軍とすべく時政をあおった。しかし時政と牧方のこの陰謀は、時政先妻の子政子(まさこ)、義時(よしとき)の知るところとなり、朝雅は殺され、牧方は出家した時政とともに伊豆に隠退した。

[田辺久子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android