牧方(読み)まきのかた

日本大百科全書(ニッポニカ) 「牧方」の意味・わかりやすい解説

牧方
まきのかた

生没年不詳。鎌倉幕府初代執権北条時政(ときまさ)の後妻。平頼盛(よりもり)の家臣牧宗親(まきむねちか)の女(むすめ)。1182年(寿永1)以前に時政と結婚している。女婿平賀朝雅(ひらがともまさ)を寵愛(ちょうあい)した牧方は、朝雅と畠山重保(はたけやましげやす)(重忠(しげただ)の子)との対立から、時政に讒言(ざんげん)して1205年(元久2)畠山父子を殺させ、さらに源実朝(さねとも)を廃して朝雅を将軍とすべく時政をあおった。しかし時政と牧方のこの陰謀は、時政先妻の子政子(まさこ)、義時(よしとき)の知るところとなり、朝雅は殺され、牧方は出家した時政とともに伊豆に隠退した。

[田辺久子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android