物言えば唇寒し秋の風(読み)モノイエバクチビルサムシアキノカゼ

デジタル大辞泉 「物言えば唇寒し秋の風」の意味・読み・例文・類語

ものえばくちびるさむあきかぜ

芭蕉の句から》人の短所を言ったあとは、後味が悪く、寂しい気持ちがする。転じて、何事につけても余計なことを言うと、災いを招くということ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「物言えば唇寒し秋の風」の意味・読み・例文・類語

もの【物】 言(い)えば唇(くちびる)(さむ)し秋(あき)の風(かぜ)

  1. 芭蕉の句で、貞享年間(一六八四‐八八)に成ったといわれる「座右の銘」、「人の短をいふ事なかれ 己が長をとく事なかれ」のあとに添えられているもの。人の短所を言った後には、なんとなくさびしい気持がする。転じて、なまじよけいなことを言えば、そのためにわざわいを招くということ。口は禍の門。
    1. [初出の実例]「もの言(イヘ)ば唇さむし秋の風だ。何でも口数が多いと襤褸が出るから」(出典:滑稽本・七偏人(1857‐63)四)

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