特定化学物質の把握と管理・促進法(読み)とくていかがくぶっしつのはあくとかんりそくしんほう(その他表記)Pollutant Release and Transfer Register

知恵蔵 の解説

特定化学物質の把握と管理・促進法

環境ホルモンやハイテク産業にともなう新たな化学物質などの環境汚染については世界的に関心が高まり、1992年の環境と開発に関する国連会議(地球サミット)で採択されたアジェンダ21の中で、化学物質のリスク低減の手法として、有害化学物質排出や移動を管理する制度の必要性が指摘された。OECDは、96年に加盟各国に導入を勧告。米、独、仏、英、オランダカナダなどで実施。日本は99年に「特定化学物質排出量把握・管理改善促進法(PRTR法)」を制定、2001年に本格施行。事業者は354の環境汚染物質ごとに環境中に排出される量を推計、都道府県を経由して国に届け出る。04年度の集計結果によると、4万341事業所の排出量は27万t、廃棄物などの移動量は23万t。届け出対象外で国が指定した家庭、車などからの排出量は35万7000t。

(杉本裕明 朝日新聞記者 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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