狭狭し(読み)セバセバシ

デジタル大辞泉 「狭狭し」の意味・読み・例文・類語

せば‐せば・し【狭し】

[形シク]
非常にせまい。せまくるしい。窮屈だ。
「道―・しうて両方険阻で」〈史記抄・孫呉伝〉
心がせまい。狭量だ。
「大キナ国ヲ治ムル者ワ―・シウシテワカナワヌ」〈天草版金句集〉

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精選版 日本国語大辞典 「狭狭し」の意味・読み・例文・類語

せばせば‐し【狭狭・約】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙 ( 「せわせわし」とも )
  2. 非常に狭い。幅がせまく窮屈である。また、貧しいさまである。せませまし。
    1. [初出の実例]「約 セバシ セバセバシ セハセハシ」(出典:観智院本名義抄(1241))
    2. 「道狭(セハセハ)しうて両方か険阻て難処ぢゃほどに」(出典:史記抄(1477)一一)
  3. 小さなことにこだわり、心が狭い。度量が狭い。
    1. [初出の実例]「弘は大也、心の広大にしてせはせはしからざるを云也」(出典:足利本論語抄(16C)泰伯第八)
  4. 簡略である。短くつまる。
    1. [初出の実例]「詞約(セハセハシ)くして理弘しと雖も」(出典:大慈恩寺三蔵法師伝院政期点(1080‐1110頃)八)

狭狭しの補助注記

「書陵部本名義抄」の「約 セハセハシ〔論〕」の例には清声点があるが、挙例の「観智院本名義抄」には、清声点の付いた「セハセハシ」と濁声点の付いた「セバセバシ」の両様が「約」の字に見られる。また、「易林本節用集」などには「セバセバシ」とあるが、「文明本節用集」には「不仁者不以久処一レ(セワセワシキニ)以長処一レ楽也〔里仁篇〕」とあり、清濁両形が見られる。

狭狭しの派生語

せばせばし‐さ
  1. 〘 名詞 〙

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