日本大百科全書(ニッポニカ) 「猿猴月を取る」の意味・わかりやすい解説 猿猴月を取るえんこうつきをとる 欲に駆られて身のほどを忘れ、命を落とすこと。猿も猴もサルのこと。昔、インドの波羅那(ハラナ)城で、500匹のサルが樹下の池面に映った月を取ろうとし、互いに他のサルの尾をつかんで高い枝を下りて池に臨んだが、ついには枝が折れてみな水に落ち溺(おぼ)れ死んだ、というたとえで、仏陀(ぶっだ)が比丘(びく)(僧)たちを戒めたと伝える、中国・東晋(とうしん)の仏書『僧祇律(そうぎりつ)』の故事による。単に「猿猴が月」といい、「猿猴が月に愛す」「猿猴の水の月」ともいう。[田所義行] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例