獣脚類(読み)じゅうきゃくるい(その他表記)theropod

日本大百科全書(ニッポニカ) 「獣脚類」の意味・わかりやすい解説

獣脚類
じゅうきゃくるい
theropod
[学] Theropoda

竜盤目獣脚類(亜目)に属する恐竜。獣竜(けものりゅう)、シシ竜ともよばれる。竜脚類にかみついた歯型や足跡の研究から、獣脚類は竜脚類など草食恐竜を餌(えさ)として襲っていたらしく、口は鋭い歯で武装されていた。かつては大形肉食恐竜を一括したカルノサウルス類Carnosauria(食肉竜)と小形肉食恐竜のコエルロサウルス類Coelurosauriaに二分されていたが、現在ではこれは不適切とわかり使われない。1990年代以降は、分岐分類学的検討により系統の解釈は全面的に書き改められている。

 三畳紀後期の、約2億2800万年~1億9960万年前に生息していた仲間は比較的小さく、二肢歩行で、普通は全長約3メートル以下である。トカゲや小形哺乳(ほにゅう)類、昆虫などをとらえて食べた肉食動物で、エオラプトルEoraptorヘレラサウルスHerrerasaurusがその例である。ただし、これらは基礎的竜盤類として、獣脚類からは外されるのが普通である。ジュラ紀の約1億9960万年~1億8960万年前に生息していたディロフォサウルスDilophosaurusなどを含むコエロフィシス上科Coelophysoideaや、1億5570万年~1億4550万年前のケラトサウルスCeratosaurus白亜紀の約1億4550万年~6550万年前に生息していたアベリサウルスAbelisaurusなどを含むネオケラトサウルス類Neoceratosauriaはケラトサウルス類(下目)Ceratosauriaに一括される。そのほかテタヌラ類(下目)Tetanuraeに属する。テタヌラ類のなかでは、スピノサウルスSpinosaurusやバリオニクスBaryonyxなどを含むスピノサウルス上科Spinosauroideaを別とすると、ジュラ紀のアロサウルス科Allosauridae、シンラプトル科Sinraptoridae、白亜紀のカルカロドントサウルス科Carcharodontosauridaeなどはカルノサウルス類Carnosauriaにまとめられ、そのほかは、いくつかのグループを除くと、コエルロサウルス類Coelurosauriaに一括されている。カルノサウルス類とコエルロサウルス類をあわせて鳥獣脚類Avetheropodaという。さらにコエルロサウルス類のなかで、コムプソグナトゥス科Compsognathidaeやティラノサウルス上科Tyrannosauroideaを除いたものがマニラプトル形類Maniraptoriformesである。マニラプトル形類はオルニトミモサウルス類Ornithomimosauriaとマニラプトル類Maniraptoraで構成される。後者はオビラプトロサウルス類Oviraptorosauriaとテリジノサウルス上科Therizinosauroideaとエウマニラプトル類Eumaniraptoraを含む。最後のエウマニラプトル類はデイノニコサウルス類Deinonychosauriaと鳥群Avialaeで構成される。すなわちトロオドン科Troodontidaeとドロマエオサウルス科Dromaeosauridaeを含む。ドロマエオサウルス科の属種にその著例があるが、1990年代後半以降、白亜紀の小形肉食恐竜のなかに羽毛を備えたものが次々と発見されている。

[小畠郁生]


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関連語 Coelophysis

最新 地学事典 「獣脚類」の解説

じゅうきゃくるい
獣脚類

学◆Theropoda

竜盤目獣脚亜目の恐竜類。二足歩行,肉食性。けもの竜とも。コエルロサウルス・デイノニコサウルス・食肉竜の3下目に区分される(E.H.Colbert et al.,1991)。または,ケラトサウルス・コエルロサウルス・食肉竜の3下目とされる場合もある。確実な獣脚類の祖先は三畳紀後期のコエロフィシス(Coelophysis)であるが,獣脚類の特徴である細長い頭骨,大きな側頭窓と前眼窩窓をすでに備えていた。獣脚類は,ジュラ~白亜紀に繁栄し,小型のコエルロサウルス類,ダチョウ型恐竜のオルニトミモサウルス類,小型で大きな脳頭蓋をもち後肢や尾が特殊化したデイノニコサウルス類,体を大型化させた食肉竜類と,恐竜時代の捕食者として適応していった。

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