国指定史跡ガイド 「王塚-千坊山遺跡群」の解説
おうづかせんぼうやまいせきぐん【王塚-千坊山遺跡群】
富山県富山市婦中町にある弥生時代後期から古墳時代前期の遺跡群。富山湾から12km内陸にある山田川流域には、弥生時代後期から古墳時代前期の集落跡や墳墓・古墳が連続して分布しているが、王塚古墳は富山市中心部から西へ約10kmの標高120m前後の羽根山丘陵上にあり、かつて羽根山古墳群とも呼ばれていた2基の大型古墳と10基の小古墳からなる古墳群の主墳で、1948年(昭和23)に国の史跡に指定された。2005年(平成17)には、越中を代表する前方後方墳であるこの王塚古墳や勅使塚(ちょくしづか)古墳、山陰地方との関わりを示す4基の四隅突出形墳丘墓のほか、前方後方形墳丘墓、弥生集落など7ヵ所を含めて名称変更され、追加指定を受けた。これらの遺跡群により、墓と集落の対応関係や地域がまとまっていく様子が明らかになった。JR高山本線速星駅から車で約10分。