日本歴史地名大系 「琉球国碑文記」の解説
琉球国碑文記
りゆうきゆうこくひもんき
一冊
解説 首里王府が琉球各地の碑文を集成したもの。数種の異本があり、琉球国中碑文記・碑文記・碑文記全などの題でも知られる。史書編纂が本格的に始まった一八世紀初頭から数度にわたり収集・編成されたとみられ、尚家本(那覇市)・伊波普猷文庫本(琉球大学附属図書館)・東恩納寛惇文庫本(県立図書館)などが伝わる。尚家本は三司官の割印が押されており、王府保管のものだった可能性がある。伊波文庫本は欠落が目立つが、古写本の可能性が高い。東恩納文庫本(甲乙二本)は全件数を収録しており、参照に便利である。集成にあたり表題のない碑文に名称を付す(例―百浦添之欄干之銘・浦添城之前之碑文)などの工夫が加えられている。本書所収の碑文の多くは県教育委員会編「金石文」でみることができる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報