精選版 日本国語大辞典 「瑞歯ぐむ」の意味・読み・例文・類語
みずは‐ぐ・むみづは‥【瑞歯ぐむ】
- 〘 自動詞 マ行四段活用 〙 ( 「みずわく(ぐ)む」「みつわく(ぐ)む」とも ) ( 老人に「瑞歯②」がはえる意か ) きわめて年をとる。はなはだしく年老いる。
- [初出の実例]「むばたまのわが黒髪はしらかはのみつはくむまでなりにけるかな」(出典:大和物語(947‐957頃)一二六)
瑞歯ぐむの補助注記
語義については、「瑞歯(みづは)ぐむ」のほか、歯が上下三本だけ抜け残る「三歯組む」とする説、足腰の三重に折れかがまる形容「三輪(みつわ)組む」とする説、関節のがたがたになる形容「支離(みつわくむ)」とする説、また、「大和物語」の檜垣嫗の歌が「水は汲む」の意だけであったのが老人のさまをいうと誤解されて、さまざまの語源説が付会されたとする説などがあり、表記についても「みつはくむ」「みつわくむ」のふたつが入りまじっている。