瑞歯(読み)ミズハ

デジタル大辞泉 「瑞歯」の意味・読み・例文・類語

みず‐は〔みづ‐〕【×瑞歯/稚歯】

若々しく生命力のある歯。
老人になってから再び生えた歯。長寿しるしとして、めでたいこととされた。
非常に年老いること。また、老人。
かまど守る―のおみないほりよりはひいでの小田早苗取る見よ」〈夫木・七〉

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精選版 日本国語大辞典 「瑞歯」の意味・読み・例文・類語

みず‐はみづ‥【瑞歯・稚歯】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「みずわ」「みつわ」とも )
  2. めでたい歯。みずみずしく美しい歯。
  3. 一度抜け落ちてから、ふたたびはえた老人の歯。長寿の相として、めでたいものとされた。
  4. 老いること。また、老いた人。老人。
    1. [初出の実例]「竈もるみづわのおみな庵よりはひいでの小田に早苗とる見よ〈源仲正〉」(出典:夫木和歌抄(1310頃)七)

瑞歯の補助注記

記紀人名「水歯別命」「瑞歯別天皇」に見られるのみで、単独の形の使用例はない。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「瑞歯」の意味・わかりやすい解説

瑞歯
みずは

歯を褒めていう語で、みずみずしい歯、めでたい歯の意。「みず」は、若々しく生き生きした、みずみずしい状態を表し、新しく清らかで、めでたいようすを褒める語である。また、老人になり歯が抜け落ちてからもう一度生えた歯を称し、長寿の吉相としてめでたいものとされた。「瑞歯ぐむ」「瑞歯さす」という語句があり、老人に瑞歯が生える意とされるが、転じて、甚だしく年老いること、老人を意味する語となった。

[藁科勝之]

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