デジタル大辞泉 の解説 かんたいへいよう‐せんりゃくてきけいざいれんけいきょうてい〔クワンタイヘイヤウセンリヤクテキケイザイレンケイケフテイ〕【環太平洋戦略的経済連携協定】 シンガポール・ニュージーランド・チリ・ブルネイの4か国による包括的な経済連携協定。2006年に発効。物品貿易は原則として全品目で即時または段階的に関税を撤廃する。P4協定。TPSEP(Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement)。[補説]2010年3月、米国・オーストラリア・ペルー・ベトナムを加えた8か国が環太平洋パートナーシップ(TPP)交渉を開始した。「環太平洋戦略的経済連携協定」はTPPの訳語として用いられることもある。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
知恵蔵 の解説 環太平洋戦略的経済連携協定 環太平洋戦略的経済連携協定の略称。シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの4カ国が参加する自由貿易協定で、2006年5月に発効した。さらに米国、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシアが参加を表明し、新たな枠組みの合意に向けて9カ国で交渉している。米国は11年11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議までの合意を目指しており、日本も参加を検討している。 TPPは、自由化レベルが高い包括的な協定だ。モノやサービスの貿易自由化だけでなく、政府調達、貿易円滑化、競争政策などの幅広い分野を対象としており、物品の関税は例外なく10年以内にほぼ100%撤廃するのが原則。APECの目標を共有し、より広範な自由化を進めることが協定の目的とされ、加盟国の合意によって参加国を拡大できる。09年の米国の参加表明によって関心が高まり、参加国の増加が見込まれており、アジア太平洋地域の新たな経済統合の枠組みとして発展する可能性も指摘されている。 日本では、菅直人首相が10年10月、TPPへの参加検討を表明。参加による政治的・経済的な意義に加え、参加しなければ自動車や機械などの日本の主要産業が自由化でリードする韓国と比べて海外市場で不利になるなどの試算もあり、経済団体を中心に参加を支持する声が大きい。一方で、関税撤廃による国内農林水産業への影響などを懸念して、農協や漁協などの生産者団体を中心に、参加に反対する意見もある。 (原田英美 ライター / 2010年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報 Sponserd by