デジタル大辞泉
「経済連携協定」の意味・読み・例文・類語
けいざいれんけい‐きょうてい〔‐ケフテイ〕【経済連携協定】
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経済連携協定(EPA)
貿易や投資、人の往来を活発にするため二つの国・地域や多国間で結ぶ協定。自由貿易協定(FTA)と呼ぶこともある。輸入品にかける関税の撤廃・引き下げに加え、知的財産権の保護といった幅広いルールを定める。日本はメキシコなど15カ国・地域とのEPAを発効済み。5億人市場の攻略を狙って欧州連合(EU)とは2013年に交渉を始めたが、EUの自動車関税、日本の農産物関税の削減などで溝が埋まっていない。
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経済連携協定(EPA)
工業品や農産品の輸入時に課す関税の撤廃・削減に加え、知的財産権保護など経済全般について必要なルールを決める協定。貿易や投資を活発にする効果がある。EPAは英語の「ECONOMIC PARTNERSHIP AGREEMENT」の略。自由貿易協定(FTA)とほぼ同じ意味だが、EPAは関税以外の幅広いルールを含む協定を指すことが多い。2国間だけでなく、多国間で同時に結ぶ場合もある。
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「経済連携協定」の意味・わかりやすい解説
経済連携協定【けいざいれんけいきょうてい】
経済・外交用語。Economic Partnership Agreement(略称EPA)。自由貿易協定(FTA)が,特定の国や地域の間で,物品の関税やサービスなどに関して貿易の障壁などを削減・撤廃することを目的とする協定であるのに対して,経済連携協定(EPA)は,貿易の自由化に加え,投資,人的移動,知的財産保護,競争政策におけるルール作り,多様な分野での強力等々,さまざまな要素を含む幅広い経済関係の強化を目標とする協定である。近年世界で締結されているFTAは,実際にはEPAの要素を盛り込んだものも多い。日本がEPAを締結(発行)している国はシンガポール(2002年),メキシコ(2005年),マレーシア(2006年),チリ(2007年),タイ(2007年),インドネシア(2008年),ブルネイ(2008年),東南アジア諸国連合(ASEAN)(2008年),フィリピン(2008年),スイス(2009年),ベトナム(2009年),インド(2011年),ペルー(2012年),オーストラリア(2015年),モンゴル(2015年署名)の15ヵ国(2015年4月現在)。
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知恵蔵
「経済連携協定」の解説
経済連携協定
外国との間において、貿易の自由化のみならず経済関係全般の広い分野にわたり連携を強化することを目的とした協定。略称はEPA。財・サービス貿易の自由化のみならず、資本や人の移動、知的財産の保護や競争政策におけるルール作りなど、国際取引を円滑に行うとともに、市場制度など経済制度の調和をはかり、経済活動の一体化のための取り組みを含む。
EPAは締約国間において、貿易に関わる関税やサービス貿易の障壁などを削減もしくは撤廃し、貿易を自由化することを目的とした自由貿易協定(FTA)の内容に加えて、国際間投資や労働力の移動、政府調達や経済協力などについて、広く経済全般の連携を深め、相互関係の発展を目指す。このため、EPA/FTAと並べて表記されることもあるが、EPAはFTAを内包する概念といえる。日本は、シンガポール、メキシコなど各国と個別にEPAを締結し、これとは別に東南アジア諸国連合(ASEAN)との包括的経済連携協定も結んでいる。2012年4月までには、13カ国・地域とのEPAが発効。2013年現在、10カ国・地域と交渉が行われている。なお、輸出入を行う際の関税は世界貿易機関(WTO)で定められた加盟国共通の関税率(MFN税率)が適用される。しかし、EPA締結国間では、原産地規則などの条件を満たす産品については、MFN税率よりも低い特恵関税の適用を受けられる。
環太平洋経済連携協定(TPP)もEPAの一つであり、日本政府は交渉参加を表明している。また、欧州連合(EU)との間では、協定の範囲や目標などを定める「スコーピング」の作業を終え、13年10月の第3回EPA交渉会合では、チーズやワインなど加工食品に日本がかける輸入関税を撤廃する見返りとして、自動車部品の輸入関税を直ちに撤廃するという案がEU側から示された。これを受ければ痛手となる農業などの生産者団体と、自動車関連など輸出産業とは利害が相克する。TPP交渉及び日・EUのEPA交渉は貿易高が巨額であり、内容も相互に影響する。今後これらについて、国内での対応と調整も大きな課題となっている。
経済連携協定
自由貿易協定(FTA)が財・サービス貿易の自由化を目指すのに対し、経済連携協定は、FTAを軸にしながら、より広範な分野での連携に狙いがある。具体的には、人(労働力)やカネ(資本)などの移動に関しても制限を撤廃し、併せて知的財産権や競争政策に関するルール作りや、経済制度の調和、紛争処理手続きなども視野に入れている。中国や韓国がASEAN諸国とのFTA交渉で先行しているのに対し、日本は立ち遅れ感が否めず、経済界から不満が募っていた。その最大の原因は、日本国内に農産物の輸入自由化への抵抗が強いことである。そこで日本政府は、単なるFTAではなく、相互に対等な立場で連携する意味を込めたEPAで、交渉の立ち遅れを取り戻そうとしてきた。EPAは、看護師、介護士など特殊技能を持った労働力の移動や、相手国への農業技術協力を促進することも含むので、FTAよりも相互に受け入れやすいということもある。日本は2002年11月のシンガポール、05年4月のメキシコに続き、同年末にはフィリピン、マレーシア、タイとも、EPAの基本合意に達した。さらに経済産業省は06年に入って、オーストラリア、インド、中国、韓国とASEAN10カ国にまで枠組みを広げた「東アジアEPA」構想や、アジア版OECD(経済協力開発機構)を提唱している。
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経済連携協定
けいざいれんけいきょうてい
Economic Partnership Agreement; EPA
特定の国や地域の間で関税の撤廃,投資の自由化(→資本自由化),知的財産権の保護などにおけるルールの設定によって経済上の連携を強める枠組み。EPAと略称される。関税撤廃を中心とする自由貿易協定 FTAよりも幅広い分野を対象とする。二国間のほかに地域統合型がある。地域統合型の代表的なものとして,日本など 12ヵ国が 2016年に署名した環太平洋経済連携協定 TPPがあげられる。TPPは関税撤廃やサービス,投資の自由化,知的財産権の保護以外に,電子商取引のルール整備,国有企業の優遇防止,労働や環境保護のルール整備など包括的な分野を網羅し,「21世紀型の通商ルール」と呼ばれた。ほかに交渉中の地域統合型EPAとして,日本や中国,オーストラリアなど東アジア・オセアニア地域の 16ヵ国が参加する東アジア地域包括的経済連携 RCEPがある。日本は輸出競争力の強化,日本企業の海外進出,エネルギー・食料の安定輸入に資するとして EPAを成長戦略の一つと位置づけ,2002年のシンガポールを皮切りに,インド(発効 2011)やオーストラリア(同 2015)などと二国間協定を結んだほか,2018年にヨーロッパ連合 EUとの間で協定を締結した。
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経済連携協定(EPA)
経済連携協定(EPA:Economic Partnership Agreement)とは、自由貿易協定(FTA)を柱として、特定の二国間や複数国間で、人材の移動や投資、二国間協力など、幅広く経済関係を強化する取り決めをいいます。
(2008/7/18掲載)
出典 『日本の人事部』人事労務用語辞典について 情報
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例