化学辞典 第2版 「環状オリゴマー」の解説
環状オリゴマー
カンジョウオリゴマー
cyclic oligomer
環状のオリゴマーのこと.構造上鎖状オリゴマーと区別して用いられる.環状オリゴマーは,分子内カップリングを伴うオリゴメリ化反応により生成する.ブタジエンのNi(acac)2-Al(C2H5)3-P(C6H5)3系触媒による環化二量化,Ni(acac)2-Al(C2H5)3系触媒による環化三量化などがその代表である.W,Mo,Reなどの化合物を触媒とするオレフィンのメタセシス反応によっても,環状オリゴマーが製造できる.1,9-シクロオクテンの二量化による1,9-シクロヘキサデカジエンの合成などがその代表である.また,ポリエチレンオキシド鎖の環状オリゴマーは,クラウンエーテルとして知られている.クラウンエーテルと陽イオン(とくにアルカリ金属イオン)との錯体の安定性は,環とイオンの大きさのバランスに依存する.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報