化学辞典 第2版 「メタセシス」の解説
メタセシス
メタセシス
metathesis
本来は,無機化学における複分解と同義の用語であるが,とくにオレフィン2分子間でアルキリデン基の交換が起こる反応に対し,専用語として用いられるようになった.
たとえば,プロペン2分子から2-ブテンとエテンの生成(トリオレフィン法),イソブテンと2-ブテンからイソペンテンとプロペンの生成などが,上記の反応形式で起こる.これらのアルキリデン交換反応には,酸化タングステン,酸化モリブデン,酸化レニウムなどを触媒として高温で起こる不均一系反応と,チーグラー触媒を用い,室温で起こる均一系反応とがある.なお,同一オレフィン分子間で起こるメタセシスは,一種の不均化反応である.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報