日本大百科全書(ニッポニカ) 「オリゴマー」の意味・わかりやすい解説
オリゴマー
おりごまー
oligomer
単量体(モノマー)が低い程度に重合してできた重合体で、分子量は1000以下のものをいう。高分子化合物がその機械的強度などの実用的性質を示すためには、分子量が少なくとも数万程度以上を必要とする。オリゴマーは高分子物質の性質を示さず、一般の有機化合物と同じように減圧蒸留分離も可能である。重合反応を、四塩化炭素のような連鎖移動がおこりやすい溶媒中で行うと、極度に低いオリゴマーを生成させることができる。このようなビニル重合の一方法をテロメル化(短鎖重合)といい、用いられる連鎖移動剤をテローゲン、単量体をタキソーゲン、生成したオリゴマーをとくにテロマーという。このテロマーを減圧蒸留で分離して、各種工業製品の原料としている。
[垣内 弘]