甲乙経(読み)こういつけい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「甲乙経」の意味・わかりやすい解説

甲乙経
こういつけい

鍼灸古典中国,晋の時代皇甫謐 (223~282) が編纂したもので,12巻から成る。本書医疾令なかで医生の教科書としてあげられている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の甲乙経の言及

【経穴】より

…経穴は俗に〈つぼ〉と呼ばれて,鍼(はり)をうつとか灸(きゆう)をすえるとか刺激を加えることによって,遠く離れた場所に反応を起こして病変を好転させることのできる部位である。 経穴は《素問》(《黄帝内経》)や《甲乙経》などの古い文献では気穴や孔穴とも呼ばれている。鍼灸治療に用いる刺激点は経脈上の点だけではなく,不特定の指で圧すことによって痛みや快感などを感じる阿是穴なども含まれる。…

【中国医学】より

…その成立時期についてはまだ研究の余地が残っているが,中国臨床医学の代表的な書であることはまちがいない。鍼灸についても刺激点である経穴(つぼ)が発見され,それらの知識は皇甫謐(こうほひつ)(215‐282)によって整理されて《甲乙経》中にまとめられ,その後の鍼灸療法の基準になった。また重要な診断法である脈診についての知識をまとめた《脈経》は晋の初期(3世紀後半ごろ)に王叔和によって著されたとされ,陶弘景が当時存在していた本草書を整理して《神農本草経》(《神農本草》)を編纂したのは500年ころである。…

※「甲乙経」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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