時代(読み)じだい

精選版 日本国語大辞典 「時代」の意味・読み・例文・類語

じ‐だい【時代】

〘名〙
① 年月の流れ。また、年代の順序
経国集(827)一三・九日林亭賦得山亭明月秋応太上天皇御製〈巨勢識人〉「千山一霜物衰朽、運謝時代空有々」
明暗(1916)〈夏目漱石〉四〇「時代(ジダイ)のために多少燻(くす)ぶった天井だの床柱だのを見廻した」 〔宋書‐礼志〕
② ある長さをもった年月。また、歴史上の区分。物事が存在した歴史上の位置。歴史的な特色をとらえて区分した一定の期間。前後と区別されるような特色をもった時期。治世。御代。その当時。当代。
※江談抄(1111頃)五「寄其時代其文章此等庶幾歟」
徒然草(1331頃)八八「四条大納言撰ばれたる物を、道風書かん事、時代や違(たがひ)侍らん。覚束(おぼつか)なくこそ」
③ (形動) 年代がたって古めかしく感じられること。昔ふうで融通がきかないさまにも、昔ふうのよさがあるさまにもいう。
浄瑠璃・丹波与作待夜の小室節(1707頃)上「じだいの金襴鶴菱たすき」
※滑稽本・八笑人(1820‐49)三「そこでこれは、ちと時代な絵で、清盛の妾で、貞女を捨て」
④ (形動) 古めかしくて大げさであるさま。
人情本春色辰巳園(1833‐35)初「『どなたもおつかひだて申しました』『ごうぎと時代(ジダイ)なせりふだの』」
※破戒(1906)〈島崎藤村〉一五「丁度それは時代な劇(しばゐ)でも観て居るかのやうな感想(かんじ)を与へる」
⑤ 「じだいもの(時代物)②」の略。
※歌舞伎・四天王産湯玉川(1818)二番「『心得ました。必ずよしなに』『コレサ、それぢゃア時代(ジダイ)だ。世話でやんなよ』」

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デジタル大辞泉 「時代」の意味・読み・例文・類語

じ‐だい【時代】

[名]
社会構造・政治形態や文化・思想など、ある目安によって区分された、相当の長さの歴史的期間。年代。「時代の流れ」「平安時代」「封建時代
何かの意味における一定の時の長さ。時勢。「時代が変わる」「地方文化の時代」「時代の波に乗る」
その当時。当代。特に、現代。「時代申し子」「時代の先端を行く」
人の一生におけるある時期。「幸福な時代もあった」「学生時代
時がたって古びていること。「時代を帯びる」「時代を感じさせる」
時代物」の略。
[形動][文][ナリ]物事のようすが古めかしく感じられるさま。また、古風で大げさなさま。
「―なしばいでも観ているかのような感想かんじを与える」〈藤村破戒
[類語](1)(2年代時期世紀時世じせい時節とき時世ときよエポック/(3当代当世現代近代今日こんにち現今同時代今の今様モダンコンテンポラリー当今当節今日日きょうび

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普及版 字通 「時代」の読み・字形・画数・意味

【時代】じだい

時世。〔宋書、礼志一〕三國鼎峙し、晉を(へ)て宋に至り、時代移改し、各事に隨つて立つ。~今魏氏以後の經國を抄して、以て此の志に備ふと云ふ。

字通「時」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「時代」の意味・わかりやすい解説

時代
じだい
Vremya

ロシアの文学政治雑誌。 1861~63年刊。 F.ドストエフスキーを中心に評論家 A.グリゴーリエフ,N.ストラホフ,詩人の A.マイコフらが参加,「土地主義」をスローガンとして,自由主義的な『現代人』誌と論争した。ドストエフスキーの『死の家の記録』『虐げられし人々』なども掲載された。

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盆栽用語集 「時代」の解説

時代

古さ、または古く見える見せ方。盆栽の基本的要素であり、「時代が良い」「時代が乗っている」などと表現され、評価の対象となる。樹の古さは特に幹肌に表れ、古いものは自然古木と似た雰囲気を醸し出す。その他にも、よく使い込まれてきた古い鉢など、古さ・落ち着きを感じさせるものに対して広く使われる言葉である。
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デジタル大辞泉プラス 「時代」の解説

時代〔曲名:中島みゆき〕

日本ポピュラー音楽。歌はシンガーソングライター、中島みゆき。1975年発売。歌手で女優の薬師丸ひろ子が1988年に発売したカバーバージョンが、同年公開の映画「ダウンタウン・ヒーローズ」のイメージソングに起用された。

時代〔曲名:嵐〕

日本のポピュラー音楽。歌は男性アイドルグループ、嵐。2001年発売。作詞・作曲:TSUKASA。メンバーの松本潤が主演したドラマ、「金田一少年の事件簿」の主題歌。

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岩石学辞典 「時代」の解説

時代

時期と同じに使われる.⇒時期

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