日本歴史地名大系 「畠倉郷」の解説 畠倉郷はたぐらごう 山梨県:大月市畑倉村畠倉郷現在の賑岡(にぎおか)町畑倉(はたぐら)を遺称地とする中世郷。旧円通(えんつう)寺に納められた大般若経の巻六〇〇の応永八年(一四〇一)奥書(甲斐国志)に「甲斐国都留郡畠倉郷岩殿山円通寺」とみえる。これによれば円通寺の所在する岩殿(いわとの)は郷内に位置していたことになり、岩殿山麓一帯が当郷に属した時期があったと考えられる。したがって円通寺の永正一七年(一五二〇)の修造棟札(同書)に連記される寄進者のなかに「其時当郷御代官長沼以秀」とある長沼以秀は当郷の代官である。しかし同棟札には強瀬四郎三郎・同六郎右衛門の名がみえ、また別に地名としての岩殿の使用例も散見するので、この時期には強瀬・岩殿などは郷内地名として成立していたとみられる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by