番の州(読み)ばんのす

日本大百科全書(ニッポニカ) 「番の州」の意味・わかりやすい解説

番の州
ばんのす

香川県中北部、坂出(さかいで)市と宇多津(うたづ)町に属する埋立地。坂出港沖の番の州とよばれる浅瀬を、1964年(昭和39)備讃(びさん)瀬戸航路の浚渫(しゅんせつ)土砂の捨て場として埋め立てて臨海工業地としたもので、埋立て開始と同時に川崎重工の造船工場が進出した。1970年までにアジア共石(現、コスモ石油)、三菱(みつびし)化成工業(現、三菱ケミカル)、三菱アルミニウム、四国電力、吉田工業(現、YKKAP)などの企業が立地、アルミ系コンビナートが誕生した。面積6.2平方キロメートル。沙弥(しゃみ)島、瀬居(せい)島は埋立てにより陸繋(りくけい)島となった。

[坂口良昭]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の番の州の言及

【香川[県]】より

…一方,海岸の埋立てによる近代工業化も顕著である。1964年から始められた坂出市沖の番の州埋立事業は,国による備讃瀬戸航路の掘削事業から出る海底砂礫(されき)を利用して619haの埋立地を造成し,造船工場,コークス工場,アルミ建材加工工場,精油工場,火力発電所などの大工場が1960年代後半に集中的に立地した。続いて丸亀市沖の埋立ても265haに達し,多数の中クラスの工場群が進出している。…

※「番の州」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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