精選版 日本国語大辞典 「疎句」の意味・読み・例文・類語
そ‐く【疎句】
- 〘 名詞 〙 和歌の第一句から第五句までの、または連歌の長句五・七・五の上五から下五までの、それぞれどの句も音調的にも語法的にも切れているが、意味内容がつながっているもの。各句の続きぐあいについていうほか、二句間の付合についてもいう。親句(しんく)に対する。
- [初出の実例]「疎句といふは、ひびきも通はず詞もきるれども、こころのはなれぬ歌也、これはよくよくてびろなる事なるべし」(出典:竹園抄(13C後))
疎句の語誌
藤原為顕著とされる歌学書「竹園抄」では和歌一首における上句と下句に関して親句(しんく)に重点をおいている。一方、「愚秘抄‐鵜本」は疎句を重視する。この論は正徹の歌論や心敬の連歌論に影響を与え、心敬著「ささめごと」では、親句・疎句は付合の上におけることとして論じられ、疎句が理想とされている。