症状精神病(読み)しょうじょうせいしんびょう(その他表記)symptomatic psychosis

改訂新版 世界大百科事典 「症状精神病」の意味・わかりやすい解説

症状精神病 (しょうじょうせいしんびょう)
symptomatic psychosis

高熱疾患,代謝疾患,自家中毒内分泌疾患など,身体疾患に随伴する精神障害をさす。アメンチアせん妄,もうろう状態が中核的な症状で,幻覚症,過敏性情動衰弱状態,コルサコフ症候群も出現する。これらの症状は身体疾患の種類に関係なくみられるもので,1912年ボネファーK.Bonhoefferによって外因反応型として記載された。現在では躁うつ状態や統合失調症様状態も加えられる。脳に主病変があるものは器質精神病,中毒性疾患は中毒性精神病として区別されるが,症状精神病との間に概念的な混乱をきたすので,これらを包括して身体的基礎のある精神病としてまとめることがある(K.シュナイダー,1950)。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 石黒

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android