… 人魚の肉を食べたのは,庚申(こうしん)の夜だったという言い伝えもあり,この伝説が,庚申講の夜籠りのときに語られたことを示唆している。1449年(宝徳1)の5月に実在の八百比丘尼(白比丘尼)が若狭国から上洛し京に出現したという記事が,《康富記》や《臥雲日件録》に見られる。《本朝神社考》でも,この比丘尼の父親が山中で異人にあい,招かれて人魚の肉をすすめられたが,食べずに帰ったのを娘が食べて長寿になったと記している。…
…やがて〈小歌を便に色をうる〉(《人倫訓蒙図彙》)歌比丘尼に零落した。東北から中国,四国地方にかけて,各地に白(しろ)比丘尼,八百比丘尼の伝承がのこっている。1449年(宝徳1)には,白髪の巫女めいた老尼が都に現れ,みずから若狭白比丘尼とも八百歳老尼とも称したという(《康富記》《臥雲日件録》)。…
※「白比丘尼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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