白渡(読み)しらけわたる

精選版 日本国語大辞典 「白渡」の意味・読み・例文・類語

しらけ‐わた・る【白渡】

〘自ラ五(四)〙
① すっかり白くなる。すみずみまで明るくなる。
浮世草子好色二代男(1684)四「夜もしらけ渡り、奥戸明(あく)る音」
② その場のすべての人が興ざめする。座がすっかり気まずくなる。
※春迺屋漫筆(1891)〈坪内逍遙〉壱円紙幣の履歴ばなし「婉曲のやうで粗暴のいひまはし論も例もこれのみなれど同じ事繰返し二十分程のべたつれば何に感じてか一坐しらけ渡(ワタ)り」

しらみ‐わた・る【白渡】

〘自ラ五(四)〙
一面に白くなる。
狭衣物語(1069‐77頃か)三「嵯峨野の花、やうやう過ぎて、女郎花色変り、尾花が末もしらみ渡りつつ、心細げにうち靡きたるに」
② 夜が明けて、あたり一帯が明るくなってくる。〔日葡辞書(1603‐04)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android