朝日日本歴史人物事典 「盛光」の解説
盛光
室町時代の備前(岡山県)長船派の刀工。作品に記された年紀は明徳(1390~94)から永享(1429~41)まで45年ほどにわたり,1代説,2代説があり,また江戸時代の刀剣書『校正古刀銘鑑』のように室町末期まで5代説をあげるものもあるが,特に応永10年代から30年代にかけての修理亮盛光が著名である。この応永年間(1394~1428)に活躍した長船刀工は応永備前と呼ばれ,康光,経家,家助らがいるが,盛光が最も上手で,作品も多い。作品は太刀,短刀,脇指,薙刀などで,太刀は鎌倉時代の作に似て,概して細身で反りが高く,脇指は細身で40cmほどのこの時代特有の形状である。また刃文は直刃と応永備前独特の腰の開いた互の目に丁字を交えた作との二様がある。
(原田一敏)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報