岡山県南東部、邑久郡(おくぐん)にあった旧町名(長船町(ちょう))。現在は瀬戸内市(せとうちし)の一地区。1955年(昭和30)行幸(みゆき)、国府(こくふ)、美和(みわ)の3村が合併して町制施行。2004年(平成16)牛窓(うしまど)町、邑久町と合併、市制施行して瀬戸内市となる。旧町域は、吉井川下流東岸、岡山平野東部の千町(せんちょう)平野の一部を占め、西部をJR赤穂(あこう)線、国道2号が走る。名称「長船」は、往時の名刀の産地にちなむ。長船、八日市、福岡地区は吉井川の自然堤防上にあり、長船と福岡は鍛冶屋(かじや)千軒といわれ、鎌倉~室町時代には備前(びぜん)長船、福岡一文字(いちもんじ)の名刀の産地として知られた。また、築山(つきやま)古墳、花光寺山(けこうじやま)古墳などの古代遺跡もあり、須恵器(すえき)が発達した。福岡は『一遍上人(いっぺんしょうにん)絵伝』に示されているように、13世紀には市場(いちば)町として栄え、岡山に城下町が建設されて商人が移住を命じられるまで、備前の政治、経済の中心であった。なお九州の福岡は、ここ出身の黒田氏が筑前(ちくぜん)に移り築城したとき、故郷にちなみ命名したもの。現在は農村地帯で、駅付近は岡山市のベッドタウンとして宅地化が進行中である。備前長船刀剣博物館、須恵古代館がある。
[由比浜省吾]
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