県鳥・県獣(読み)けんちょうけんじゅう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「県鳥・県獣」の意味・わかりやすい解説

県鳥・県獣
けんちょうけんじゅう

各都道府県を代表する郷土の鳥や獣。日本野鳥の会による県鳥指定の動きがあり、1963年(昭和38)に狩猟法が改正されたのを契機に、農林省(現農林水産省)の林野庁が鳥獣保護のために各県に県鳥を指定するように指導した。その結果、64年から66年にかけて決定をみた。選定方法は、各県に縁の深い鳥、その県だけにしか生息しない鳥などを候補にあげ、県民の投票などによった。北海道のタンチョウ、新潟のトキ、富山・長野・岐阜のライチョウ、兵庫のコウノトリ、沖縄のノグチゲラのように特別天然記念物も多く、またオシドリ、ライチョウ、ヒバリメジロコマドリウグイスは2、3の県に重複している。県鳥の指定に際して県独自で県獣を決定した県もあり、山形・栃木・富山・山梨・長野・三重では特別天然記念物のカモシカが指定されたほか、宮城・香川のシカ、山口のホンシュウジカ、長崎のキュウシュウシカ、愛媛のニホンカワウソなどが県獣に指定されている。なお、70年沖縄県はグルクンタカサゴ)を県魚に指定、その後、福井のエチゼンガニ、三重のイセエビ、広島のカキ、山口のフグ、高知のカツオなど、さまざまな魚貝類が県魚に指定されている。

[山村順次]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android