ノグチゲラ(読み)のぐちげら(英語表記)Pryer's woodpecker

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノグチゲラ」の意味・わかりやすい解説

ノグチゲラ
Sapheopipo noguchii; Okinawa woodpecker

キツツキ目キツツキ科。全長 31cm。背,腰,胸,腹が赤みを帯びた暗褐色で,と尾は黒く,初列風切に白斑がある。雄は頭上と後頭が暗赤色を帯びているが,雌は暗褐色。生息域は沖縄島北部の原生林で,きわめて狭い範囲にかぎられている。生息数は 1960年代から 1980年代にかけて森林伐採の影響で急速に減少し,近年ではマングースやノネコ,ハシブトガラスなどに襲われ,さらに減っている。およその生息数は,1991~93年には 500羽,2009年の報告では 320~390羽,つがい数も 100以下と推定されている。1977年に国の特別天然記念物(→天然記念物)に指定された。環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧IA類にあげられている。沖縄県県鳥

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノグチゲラ」の意味・わかりやすい解説

ノグチゲラ
のぐちげら / 野口啄木鳥
Pryer's woodpecker
[学] Sapheopipo noguchii

鳥綱キツツキ目キツツキ科の鳥。中形種で全長約30センチメートル、全体に暗赤色を帯びた褐色で、下面はやや淡く、翼には小白斑(はくはん)が少数あり、雄は頭上が赤い。世界中で沖縄本島北部山地の天然林にのみ生息し、近くに近縁種がいるわけでもない、という珍しいキツツキであるが、この天然林の伐採とアメリカ軍の演習地化によって、生息地が縮小し生存が危ぶまれている。1972年(昭和47)に国の天然記念物に指定されたが、生息環境の保護を伴っていないので、まだ絶滅のおそれがある。生態はよく調査されていない。

浦本昌紀


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