日本大百科全書(ニッポニカ) 「矢島治明」の意味・わかりやすい解説
矢島治明
やじまはるあき
(1925―2018)
薬学者。薬学博士。兵庫県出身。京都大学医学部薬学科卒業。大阪大学薬学科助手を経て1957年アメリカ、ピッツバーグ大学生化学教室に留学、1960年同大学助教授となり、教授ホフマンKlaus Hofmann(1911―1995)のACTH(副腎(ふくじん)皮質刺激ホルモン)の活性トリコサペプチド合成に協力、成功した。1962年(昭和37)京都大学薬学部助教授を経て1973年教授昇任。1989年(平成1)新潟薬科大学学長に就任。1964年「ACTHの研究」で日本薬学会学術賞、1977年「生物活性ペプチドの合成研究」で有機合成化学協会賞を受賞。1980年アメリカ国立健康研究所国際学者奨学金を受けた。1982年「液相法によるウシのリボヌクレアーゼAの全合成と結晶化に関する研究」により日本学士院賞を受賞。京都大学薬学部長、日本学術会議会員、日本薬学会会頭、国際ペプチド蛋白(たんぱく)質雑誌審査委員などを歴任した。
[根本曽代子 2018年12月13日]
『矢島治明・瀬川富朗著『生体化学情報伝達物質 ペプタイド・アミン』(1983・同朋舎出版)』▽『矢島治明・広部雅昭編『医薬品合成化学 学生版』(1990・廣川書店)』▽『矢島治明他編『廣川タンパク質化学』全11巻(1993~2006・廣川書店)』