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副腎 ふくじん adrenal glands

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

副腎
ふくじん
adrenal glands

腎上体ともいう。左右の腎臓の上を冠状におおっている,重さにして 5g前後の器官。生命の維持にきわめて重要なステロイドを分泌する内分泌臓器。中胚葉から発生した副腎皮質と,外胚葉から発生した副腎髄質に分けられる。

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デジタル大辞泉の解説

ふく‐じん【副腎】

左右の腎臓の上に接して1個ずつある内分泌器官。内側の髄質と外側の皮質とからなり、髄質からアドレナリンを、皮質から副腎皮質ホルモンを分泌する。腎上体。

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百科事典マイペディアの解説

副腎【ふくじん】

腎上体とも。脊椎動物の内分泌器官。ヒトでは,左右の腎臓の上部に接する半月状(左),三角状(右)の内分泌腺。発生的および機能的に異なる2部からなる。外周の皮質は中胚葉に由来し,副腎腺細胞からなる組織網で,細胞の配列の差によって外から球状帯,束状帯,網状帯と区分され,副腎皮質ホルモンを産生する。
→関連項目内分泌腺

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栄養・生化学辞典の解説

副腎

 左右の腎臓の上にある内分泌腺.髄質はエピネフリンノルエピネフリンを分泌し,皮質はステロイドホルモンすなわちグルココルチコイドミネラルコルチコイド副腎性ホルモンを分泌する.

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世界大百科事典 第2版の解説

ふくじん【副腎 adrenal gland】

脊椎動物の内分泌器官の一つ。ヒトの副腎は腎臓の上に帽子のようにかぶさる1対の器官で,腎上体とも呼ばれる。成人では5cm×3cm×1cm以下の扁平な器官で,重さはそれぞれ5~8g程度である。種々のホルモンを分泌し,生体を外部環境の変化から防衛するのに最もたいせつな器官である。副腎は単独で脂肪の多い結合組織被膜をかぶり,さらに腎臓と共通に脂肪被膜につつまれている。また左側のものは前方が胃に,右側のものは肝臓に接している。

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大辞林 第三版の解説

ふくじん【副腎】

左右の腎臓の上に密着する内分泌器官。左は半月状、右は三角形。表層部の皮質と中心部の髄質とに分かれ、前者は副腎皮質ホルモンを、後者は副腎髄質ホルモンを分泌する。腎上体。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

副腎
ふくじん

生命維持にきわめて重要な内分泌器官の一つで、腎上体ともいう。副腎は1対あり、それぞれ左右の腎臓の上端に接着して、腎臓とともに脂肪被膜とよぶ脂肪組織に包まれている。副腎はまた、副腎に固有の線維性被膜に包まれている(なお、副腎と腎臓とは構造上の関係はない)。左副腎は半月状、右副腎は扁平(へんぺい)な三角状をしており、右副腎は下大静脈のすぐ右側にまで達している。副腎の大きさは長さ約5センチメートル、幅約3センチメートル、厚さ約0.5センチメートル、重さは約8グラムであるが、右副腎よりも左副腎のほうがわずかに大きい。[嶋井和世]

内部構造

副腎の内部構造は二つの部分、すなわち、周辺部を占める副腎皮質と中央部を占める副腎髄質とからなる。両者は発生、形態、機能をまったく異にしている。副腎皮質は中胚葉(はいよう)性の体腔(たいくう)上皮から発生するが、副腎髄質は外胚葉性の神経堤細胞に由来する交感神経系の細胞から発生する。つまり、髄質細胞は節後(せつご)神経細胞(中枢神経からの刺激を受け継ぐ体内の神経細胞)に相当し、副腎に到達した交感神経線維によって支配されるが、機能的には分泌細胞となっている。また、副腎髄質中には少数の交感神経細胞も存在している。
 副腎が、このように構造と機能とを異にする二つの組織によって一つの器官を構成するのは哺乳(ほにゅう)動物の場合に限られる。哺乳動物以外では両組織が密着していなかったり、魚類のように両組織がまったく別の器官として存在している。副腎皮質は副腎内部の周辺部に位置し、副腎全体の80%ほどを占めている。副腎皮質は3層からなる細胞構造をもち、表層からそれぞれ球状層、束(そく)状層、網(もう)状層に区別される。ヒトの胎児の副腎皮質では、とくに内側の部分の発育がよく、胎児性皮質とよばれている。しかし、生まれるとこの部分は退化してしまい、外側の部分が本来の副腎皮質として発育する。[嶋井和世]

内分泌器官としての働き

皮質細胞からは、ステロイドホルモンである副腎皮質ホルモンが分泌される。ステロイドホルモンはコレステロールをもとにして生成されるが、この生成を助ける酵素系は皮質細胞の中に含まれている。副腎皮質の各皮質細胞層からは、それぞれ特別なステロイドホルモンが分泌される。球状層でおもに生産されるのがアルドステロン(鉱質コルチコイド)で、これは体液のナトリウム濃度を正常に保つ働きをしている。つまり、腎臓に作用して、ナトリウムイオンの再吸収を促進させ、カリウムイオンの排泄(はいせつ)を増加させるように働くわけである。束状層ではおもにコルチゾール(糖質コルチコイド)が生産される。この物質は糖代謝に関係するほか、タンパク質の合成を抑制し、分解を促進させる。また、体の中の炎症を抑える作用もある。しかし、体に過剰な量が投与されると、骨組織がもろくなり、骨格筋の萎縮(いしゅく)、リンパ組織の萎縮などがおこる。なお、コルチゾールの分泌は副腎皮質刺激ホルモン(下垂体前葉ホルモンの一種)によって調節されている。網状層ではおもに少量の性ホルモン(副腎アンドロゲン。男性ホルモンの一種)が生産される。
 副腎髄質の髄質細胞には、アドレナリンを分泌するアドレナリン細胞とノルアドレナリンを分泌するノルアドレナリン細胞とが存在している。これらのホルモンは、末梢(まっしょう)血管の収縮や血圧の維持に重要な働きをもっている。この髄質細胞は、前述のように交感神経線維の支配を受けるため、交感神経系の興奮によってホルモンの分泌が高まる。生体が興奮状態になったり、生体に危険が迫ったりすると、交感神経系の興奮によってアドレナリンの分泌が行われ、血行が盛んとなり、危険から脱出しようとするさまざまな反応がおこる。
 副腎皮質はその機能から判断できるように、これを除去すると生体にとっては致命的となる。すなわち、ストレスに対する抵抗力がなくなり、外界に対する順応がきかなくなり、やがては死に至る。副腎皮質の機能不全にはアジソン病(イギリスの医師アジソンにちなむ)があり、副腎皮質の機能亢進(こうしん)にはクッシング症候群(アメリカの外科医クッシングにちなむ)がある。また、褐色細胞腫(しゅ)では髄質の機能亢進が認められる。[嶋井和世]
『有森茂・勝岡洋治・岩本晃明・岩崎克彦編『副腎・性腺疾患の臨床』(1993・東海大学出版会) ▽竹田亮祐・宮森勇編著『示説副腎皮質内分泌学』(1993・文光堂)』

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世界大百科事典内の副腎の言及

【内分泌腺】より

…これらのホルモンをまとめて胃腸ホルモン(または消化管ホルモン)といい,その中のいくつかは脳にも検出される。(7)副腎 副腎は哺乳類ではステロイドを生産する皮質組織とカテコールアミンを生産する髄質組織に分けられるが,下等脊椎動物では,ステロイド生産組織とカテコールアミン生産組織が,別々に存在したり混在したりする。前者は中胚葉性で,後者は外胚葉性である。…

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