最新 地学事典 「砒素鉱床」の解説
ひそこうしょう
砒素鉱床
arsenic deposit
砒素が主に稼行対象となる鉱床。主な鉱石鉱物は硫砒鉄鉱・鶏冠石・雄黄で,まれに自然砒素・砒鉄鉱・方砒素華・スコロド石など。ロシアに熱水性の硫砒鉄鉱鉱脈と鶏冠石雄黄鉱脈の報告があるが,砒素のみの鉱床は少ない。亜砒酸などの原料の大部分は各種鉱床の製錬ダストからの回収。例えば銅鉱床中の硫砒鉄鉱・テナンタイト・硫砒銅鉱(米国Butte・チリChuquicamata・フィリピンLepanto),金硫砒鉄鉱石英脈(東ウラルのKochkar),硫砒銅鉱角礫パイプ(ナミビアのTsumeb),スカルン中の硫砒鉄鉱(日本の神岡・尾平)など。このほか,日本では金銀鉱脈・黒鉱・硫黄鉱床に砒素を多く伴うが,これらの砒素は回収されない。主産国は中国・チリ・フィリピン・メキシコなど。世界年産量4.7万t(1993)。
執筆者:鹿園 直建
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

