硫砒鉄鉱(読み)リュウヒテッコウ

大辞林 第三版の解説

りゅうひてっこう【硫砒鉄鉱】

鉄・ヒ素の硫化物。三斜晶系に属し、黄色をおびた銀白色の金属光沢がある。黄鉄鉱・黄銅鉱などに伴って産する。毒砂どくさ

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

硫砒鉄鉱
りゅうひてっこう
arsenopyrite

ヒ素の鉱石鉱物としてもっとも普通のものの一つ。中~高温熱水鉱床、気成鉱床、接触交代鉱床(スカルン型鉱床)中に産するほか、ある種の熱水交代起源の粘土鉱床の粘土(おもに白雲母(うんも)からなる)中に包有されて産する。自形は菱形(ひしがた)断面の斜方柱状ないし短柱状あるいは菱板状。日本では、大分県大野郡緒方(おがた)町(現、豊後大野(ぶんごおおの)市緒方町)尾平(おびら)鉱山の長柱状結晶の集合が有名。愛知県東栄(とうえい)町稲目(いなめ)鉱山ではいわゆるセリサイト(絹雲母=細粒の白雲母)中に良晶を産する。これらのほか、栃木県足尾鉱山、兵庫県生野(いくの)鉱山、埼玉県秩父(ちちぶ)鉱山などが産地として知られる。理想式FeAsSと比較して、ややヒ素や硫黄(いおう)の多いものもある。鉄の一部をコバルトが置換したものはデーナ鉱danaiteとよばれ、コバルトの鉱石鉱物として、奈良県十津川(とつかわ)村堂ヶ谷鉱山で稼行された。焙焼(ばいしょう)により有毒の三二酸化ヒ素の白煙を発する。英名は成分であるヒ素arsenicと、黄鉄鉱pyriteに類似した外観に由来する。[加藤 昭]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

刑事免責

刑事訴訟において,自己が刑事訴追を受けるおそれがあるとして証人が証言を拒否した場合に,証言義務を負わせることと引換えにその罪についての訴追の免除の特権 (免責特権) を裁判所が与えること。アメリカ合衆...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android