硫砒鉄鉱(読み)リュウヒテッコウ(その他表記)arsenopyrite

翻訳|arsenopyrite

精選版 日本国語大辞典 「硫砒鉄鉱」の意味・読み・例文・類語

りゅうひ‐てっこうリウヒテックヮウ【硫砒鉄鉱】

  1. 〘 名詞 〙 銀白色不透明で金属光沢をもつ結晶性の鉱物。黄鉄鉱黄銅鉱閃亜鉛鉱などとともに産する。化学式 FeAsS 閉管中で加熱すると砒素が遊離してくる。毒砂。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「硫砒鉄鉱」の意味・わかりやすい解説

硫砒鉄鉱
りゅうひてっこう
arsenopyrite

ヒ素(As)の鉱石鉱物としてもっとも普通の硫化鉱物の一つ。中~高温熱水鉱床、気成鉱床、接触交代鉱床(スカルン型鉱床)中に産するほか、ある種の熱水交代起源の粘土鉱床の粘土(おもに白雲母(うんも)からなる)中に包有されて産する。自形は菱形(ひしがた)断面の斜方柱状ないし短柱状あるいは菱板(りょうばん)状。日本では、大分県大野郡緒方(おがた)町(現、豊後大野(ぶんごおおの)市緒方町)尾平(おびら)鉱山(閉山)の長柱状結晶の集合が有名。愛知県東栄(とうえい)町粟代(あわしろ)鉱山(別名、稲目(いなめ)鉱山)ではいわゆるセリサイト絹雲母=細粒の白雲母)中に良晶を産する。これらのほか、栃木県足尾鉱山(閉山)、兵庫県生野(いくの)鉱山(閉山)、埼玉県秩父(ちちぶ)鉱山(閉山)などが産地として知られる。理想式FeAsSと比較して、ややヒ素や硫黄(いおう)(S)の多いものもある。鉄(Fe)の一部をコバルト(Co)が置換した変種はデーナ鉱danaiteとよばれ、コバルトの鉱石鉱物として、奈良県十津川(とつかわ)村堂ヶ谷鉱山(閉山)で稼行された。焙焼(ばいしょう)により有毒の三酸化二ヒ素の白煙を発する。英名は成分であるヒ素arsenicと、黄鉄鉱pyriteに類似した外観に由来する。

[加藤 昭 2018年12月13日]


硫砒鉄鉱(データノート)
りゅうひてっこうでーたのーと

硫砒鉄鉱
 英名    arsenopyrite
 化学式   FeAsS
 少量成分  Co,Ni,Sb,Bi
 結晶系   単斜
 硬度    5.5~6
 比重    6.18
 色     銀白~鋼灰
 光沢    金属
 条痕    暗灰黒
 劈開    一方向に明瞭
       (「劈開」の項目を参照)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

最新 地学事典 「硫砒鉄鉱」の解説

りゅうひてっこう
硫砒鉄鉱

arsenopyrite ,mispickel

化学組成FeAsSの鉱物。硫砒鉄鉱族の鉱物。毒砂とも。単斜晶系(擬直方晶系),空間群P21/c, 格子定数a0.574nm, b0.568, c0.579, β112°17′,単位格子中4分子含む。化学組成はほぼFeAs0.9S1.1からFeAs1.1S0.9まで変化する。銀白~鋼灰色,金属光沢,菱形や柱状結晶など。劈開{101}明瞭,硬度5.5~6,比重6.07(測定値),6.18(計算値)。反射光でやや黄色味を帯びた白色,弱い反射多色性,強い反射異方性。ペグマタイト・鉱脈鉱床・スカルン鉱床・変成岩中から,黄鉄鉱・黄銅鉱・閃亜鉛鉱・磁硫鉄鉱・方鉛鉱・自然金・灰重石・錫石などとともに産出。三酸化砒素などの製造原鉱となる。砒素を含む黄鉄鉱(arsenical pyrite)の短縮から命名。

執筆者:

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

〘 名詞 〙 春の季節がもうすぐそこまで来ていること。《 季語・冬 》 〔俳諧・俳諧四季部類(1780)〕[初出の実例]「盆栽の橙黄なり春隣〈守水老〉」(出典:春夏秋冬‐冬(1903)〈河東碧梧桐・高...

春隣の用語解説を読む