磨上(読み)すりあげる

精選版 日本国語大辞典 「磨上」の意味・読み・例文・類語

すり‐あ・げる【磨上】

〘他ガ下一〙 すりあ・ぐ 〘他ガ下二〙
① こすりみがいて完成させる。
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉六「兎に角珠を磨り上げなくっちゃ肝心の実験が出来ませんから…」
刀剣の茎(なかご)やすりですって、寸法をつめる。
日葡辞書(1603‐04)「カタナヲ suriaguru(スリアグル)
俳諧用語。よりすぐれたもの、高次のものにする。
※俳諧・去来抄(1702‐04)故実「古事古歌をとるには本歌を一段すり上て作すべし」

すり‐あげ【磨上】

〘名〙
① こすりあげること。みがきあげること。また、そのすりあげたもの。
※俳諧・江戸蛇之鮓(1679)冬「磨あげや氷をたたく化粧水〈幽焉〉」
② 刀剣を区(まち)からやすりですり、茎(なかご)の先の方から切って、寸法を詰めること。また、その刀。
※厳島野坂文書‐元亀三年(1572)三月一一日・雖然斎宛吉田兼右書状「摺揚一文字腰刀、熨付之脇指給候」

みがき‐あ・げる【磨上】

〘他ガ下一〙 みがきあ・ぐ 〘他ガ下二〙 磨いて仕上げる。転じて、洗練されたものにする。完全なものにする。
※狂歌・狂歌続ますかがみ(1740)「母おやがみがき揚たる玉てばこあけて三五のふた皮目かな」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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