寸法(読み)スンポウ

デジタル大辞泉 「寸法」の意味・読み・例文・類語

すん‐ぽう〔‐パフ〕【寸法】

基準となる長さ。また、物の長さ。「寸法をはかる」「寸法を取る」
判断などの基準となるもの。尺度
「(嫁ニ)ゆこうゆくまいかは風邪気の時に分別をするとは大きに―が違えば」〈紅葉・二人女房〉
段取り。もくろみ。計画。「費用は向こうもちという寸法だ」「万事寸法どおりに運んだ」
[類語]長さ延長全長体長たけ着丈内法うちのり外法そとのり

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精選版 日本国語大辞典 「寸法」の意味・読み・例文・類語

すん‐ぽう‥パフ【寸法】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 基準とする、または基準になっている長さ。また、長さの度合。
    1. [初出の実例]「内印外印、鋳る可き寸法、古文正字定め了りぬ」(出典:将門記(940頃か))
    2. 「南殿賢聖図御障子は、以大炊殿御障子所立也。是院宣也。頗寸法雖叶、俄渡御之間、依新造、用件御障子也」(出典:中右記‐天永二年(1111)九月二〇日)
  3. 判断や行動の基準となるもの。基準となるやり方。
    1. [初出の実例]「佐殿の当時の寸法を以て、平家の世をとらんとし給はん事は、いざいざ富士の峰と長(た)け並べ、猫の額の物の鼠の伺ふ喩へにや」(出典:源平盛衰記(14C前)二〇)
  4. ある物事について、心にいだいていた予想や計画。手順。手はず。もくろみ。計画。
    1. [初出の実例]「南京方には恵信法務ながされて後は、たれこそなど申べき。寸法にもおよばず」(出典:愚管抄(1220)七)
    2. 「わざと紙入れを忘れた手際は、廊下で立留らむ寸法(スンパフ)なるべし」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一五)
  5. 前もって心にいだいていた感じや考えが適合する状況、有様
    1. [初出の実例]「到頭異(おつ)な寸法(スンパフ)になりましたぜ」(出典:義血侠血(1894)〈泉鏡花〉一五)
  6. 物わかり。判断のしかた。
    1. [初出の実例]「若い癖に、なんとも寸法のいい男で、たとえば、そんな時、こっちにいい憎いことなんかいわせなかった」(出典:巷談本牧亭(1964)〈安藤鶴夫〉三越名人会)

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