皮膚を整えるための水溶液状基礎化粧品の総称で、凝乳状のクリームとは区別される。皮膚表面に適度な潤いを与え、不要の角質を除き、肌を柔らかく滑らかに清潔に保つ働きをする。
アルカリ性化粧水と酸性化粧水とに大別される。アルカリ性化粧水は、アルコール、水、グリセリンなどのほか、少量のホウ砂を加えて微アルカリ性にしたもので、あれ性の肌や老化の始まる中年の肌に向く。酸性化粧水は、収斂(しゅうれん)作用をおこす化粧水で、アストリンゼント・ローションに代表され、クエン酸、ホウ酸など酸性収斂剤が、ベースのアルコールなどに加えられている。微酸性で、余分な皮脂の分泌を抑え、毛孔や汗腺(かんせん)を引き締める働きをもち、あぶら性の肌や、夏の化粧下地として、化粧くずれを防ぐのに用いられる。
このほか、フェース・ローション、スキン・ローションといわれている中性化粧水や、果汁液を主体にした化粧水がある。種子や果汁などに含まれているペクチン類、糖類、有機酸、ビタミン類を活用したもので、植物の粘液質を利用するとともに、肌に軽い収斂作用と栄養効果を与える。また男性用には、洗顔やひげそり後用として、収斂、殺菌を目的とした60%前後のアルコールの水溶液に、少量のメタンや殺菌剤を加えたものがある。
日本では、ヘチマやカラスウリの水(茎を切って根から吸い上げた水を集める)が化粧用に使われた。江戸中期になると、焼酎(しょうちゅう)の蒸留法を取り入れた方法で化粧水をつくる記録も残されている。チョウジ、カンゾウ、ビャクダンなどの本草、ウメ、キク、スイセンなどの花を水に入れ、煎(せん)じてつくったらしい。今日の化粧水に近いものは1878年(明治11)に平尾賛平商店から洋式化粧水として「小町水(こまちすい)」が初めて発売された。ヨーロッパでも18世紀なかばに、美顔水という名称で植物性の化粧水が売られたといわれているが、何でつくられていたか、はっきりしていない。
[横田富佐子]
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